行動が偏る4つの典型パターン

Tzolkinエネルギーサイクルから見る人間の行動の癖

私たちは「正しい行動ができていない」、「タイミングを間違えている」と感じています。しかし、Tzolkinエネルギーサイクルの視点で見ると、問題の本質はそこではないのかもしれません。

人は、自分が得意・安心できるフェーズに行動が偏り、本来必要なフェーズを無意識に避ける傾向があるのです。

Tzolkinエネルギーサイクルは、行動を以下の4つのフェーズとして捉えます。

  • Beginning(始まり)
  • Wisdom(知恵・俯瞰)
  • Transformation(変容)
  • Completion(完了)

この4つのうち、どこかに偏ることで、行動は歪み始めます。

① Beginning に偏る人

― 始めることが目的化するタイプ ―

特徴

  • 新しいことを思いつくのが得意
  • アイデアや計画は次々と出る
  • スタートは早いが、続かない

行動の偏り

Beginningのエネルギーは「始まり」「着手」「方向性の提示」です。ここに偏ると、始めること自体がゴールになってしまいます。

  • 新企画を立てて満足する
  • 勉強を始めた瞬間に達成感を覚える
  • 途中の見直しや完了まで意識が向かない

起きやすい問題

  • 形にならない
  • 信頼が積み上がらない
  • 自己否定感が蓄積する

② Wisdom に偏る人

― 考えすぎて動けなくなるタイプ ―

特徴

  • 情報収集が得意
  • 分析・理解・体系化が好き
  • 「まだ準備が足りない」と感じやすい

Wisdomとは何か

Wisdomは単なる「鍛錬」や「磨く」ではありません。俯瞰・統合・意味づけ・知恵のフェーズです。北方位が象徴するように、

  • 全体を見る
  • 過去の経験を統合する
  • 行動に意味を与える

という非常に重要な役割を持ちます。

行動の偏り

Wisdomに偏ると、

  • 正解を探し続ける
  • 行動前の思考が長くなりすぎる
  • 「納得できないから動けない」状態になる

起きやすい問題

  • 行動量が極端に少なくなる
  • 機会を逃す
  • 頭では分かっているのに現実が変わらない

③ Transformation に偏る人

― 変え続けて安定しないタイプ ―

特徴

  • 改善意識が高い
  • 変化を恐れない
  • 問題点にすぐ気づく

行動の偏り

Transformationは「変える」「壊す」「再構築する」力です。しかしここに偏ると、

  • 常に方向転換する
  • 少しうまくいかないと路線変更する
  • 育てる前に壊してしまう

という状態になります。

起きやすい問題

  • 成果が積み上がらない
  • 周囲が振り回される
  • 自分でも「何をやっているのか分からなくなる」

④ Completion に偏る人

― 終わらせることを急ぐタイプ ―

特徴

  • 決断が早い
  • 片付けが得意
  • 白黒をはっきりさせたい

行動の偏り

Completionは「完了」「区切り」「次へ渡す」フェーズです。偏ると、

  • 十分に育つ前に終わらせる
  • 結論を急ぐ
  • プロセスを味わわない

起きやすい問題

  • 深みが出ない
  • 人間関係が断絶しやすい
  • 繰り返し同じテーマが戻ってくる

行動が整うとは「均等に動くこと」

重要なのは、どのフェーズが良くて、どれが悪い、ではありません。

4つすべてが必要なのです。

Tzolkinエネルギーサイクルに沿って行動を見ると、

  • 自分はどこに偏りやすいか
  • 今、避けているフェーズはどこか
  • 本来やるべきことは何か

が、感情論ではなく構造として見えてきます。

暦を使う意味

人間の主観だけで行動すると、

  • やりたいことに偏る
  • 苦手なことを避ける
  • 不安なフェーズを先延ばしにする

という偏りが必ず生じます。

暦は未来を当てるためのものではありません。行動の偏りに気づくための外部基準です。

次の記事では、このサイクルを使って「どのように振り返るのか」を具体例で解説します。