人格(意志)とリソース(機能)の分離
~組織の「テーマ」と「エネルギーの流れ」を別々に分析する~
分析を容易にする「二つの独立した指標」
組織の状態を正確に把握するため、MLSではチームの「資質(人格)」と、プロジェクトを運営するための「エネルギーの流れ(リソース)」を、それぞれ独立した指標として分析します。この二つを個別に診断することで、課題の本質がどこにあるのかを迷いなく特定することが可能になります。
人格(数理モデルによる特定)= チームが冠する「テーマ」
チームの加算から導き出される「人格」は、そのチームが本来持っている「資質」や「向き合うべき課題」を可視化させるレンズです。
資質に基づいた「意識の重心」を特定する
チーム人格は、その組織がどのような性質を帯び、何に重きを置くべきかを照らし出します。例えば、「土台となる安定性を重視する資質」や「周囲の影響を受けやすい性質」など、チーム固有のテーマを明確にします。
現状の違和感を構造的に解釈する
現在起きている摩擦や停滞が、チームが本来持っている「資質の裏返し」として現れていないか。リーダーは人格というレンズを通すことで、主観に頼らず、組織の特性に基づいた的確な現状把握が可能になります。
リソース(方位)= 運営を支える「エネルギーの循環」
一方で「リソース」は、人格(テーマ)とは全く別の次元で、「プロジェクトを運営するためのエネルギーの流れ」を司ります。方位学的な観点からエネルギーの分布を可視化し、組織の「標準形」と比較します。
エネルギーの目詰まりを特定する
特定の方位にエネルギーが過剰であったり、逆に欠損していたりする場合、運営という「実務の流れ」が停滞します。リソースの分布を診ることで、どこでエネルギーが滞っているかを構造的に特定します。
リソース配分のデバッグ
エネルギーが全方位にスムーズに循環する状態を整えることは、チームの資質に関わらず、プロジェクトを停滞なく進行させるための不可欠なメンテナンス作業です。この「流れ」の調整によって、組織は本来の機能を取り戻します。
なぜ二つを別々に分析するのか
人格とリソースを個別に分析することで、リーダーは「今起きている問題は、チームの資質(テーマ)に由来するものなのか、それとも運営の流れ(循環)の欠損によるものなのか」を、極めてシンプルに切り分けられるようになります。この「別々に診る」という明快さこそが、MLSによる組織分析の最大の特徴です。
個人の資質を、組織の「エネルギー」として統合する。 人の個性を性格的な問題として捉えるのではなく、組織を動かす動的なリソースとして再定義する。個人とチームの性質がどのように相互作用し、一つの生命体となるのか。そのメカニズムの全容は[チーム・ダイナミクス]をご覧ください。