4方位のエネルギー循環
~東・北・西・南のリソース配分とボトルネック特定~
方位が司るビジネス・ロール
永峰式マヤロジックシステムでは、プロジェクトの全工程を「東・北・西・南」の4つの方位に分類します。各方位はプロジェクトが進むべき特定のフェーズを司っており、この循環を正しく回すことが、成果を生むための絶対条件となります。
方位が司るプロジェクト・ロール
| 東 | ブレスト・発想 | 新しい種をまく段階。自由な発想でアイデアを出し合い、プロジェクトの可能性を広げる「ブレインストーミング」の機能を担います。 |
| 北 | 企画・設計 | 東で出たアイデアを精査し、実行可能な形へと落とし込む段階。戦略を練り、緻密な「企画」と「仕組み」を構築する機能を担います。 |
| 西 | 運営・実行 | 企画を現実の形へと動かす段階。現場での「運営」や実働を担い、プロジェクトを具体的かつダイナミックに展開させる機能を担います。 |
| 南 | 結果・収穫 | 実行されたものを最終的な成果として刈り取る段階。プロジェクトの「結果」を出し、評価し、次へと繋げる着地の機能を担います。 |
エネルギーは「順」に巡る
プロジェクトにおけるエネルギーの理想的な流れは、東(ブレスト)→北(企画)→西(運営)→南(結果)という反時計回りの循環です。
- 豊かなアイデアが溢れ(東)
- それが緻密なプランになり(北)
- 現場で力強く推進され(西)
- 目に見える成果として結実する(南)
このサイクルに淀みがない状態が、組織にとっての「健康な構造」です。
構造的な停滞(ボトルネック)の特定
リソース(方位)の分布を分析することで、プロジェクトがなぜ「形にならないのか」「結果が出ないのか」という原因を、工程の欠損として特定できます。
- 東の欠損: ブレストが機能せず、新しい切り口や改善案が生まれない。
- 北の欠損: アイデアは出るが、企画(設計)が甘いために実行段階で混乱する。
- 西の欠損: 企画は完璧だが、運営(実働)のリソースが足りず、プロジェクトが動かない。
- 南の欠損: 運営はしているが、詰めが甘く、最終的な「結果」としての収穫が得られない。
リーダーは、このマッピングを見ることで、メンバーの努力不足を疑う前に、「北の企画機能が弱いから、西の運営が空回りしている」といった構造的なボトルネックを見抜き、的確な手を打つことが可能になります。
結論:循環を整えることがリーダーの最優先事項
特定の方位にエネルギーが過剰に偏っていたり、あるいは欠損していたりする場合、プロジェクトの循環はそこで止まります。 リーダーの役割は、この4方位のマッピングを元に、「どの工程で流れが止まっているか」を見極め、リソースの補完や中継を行うことで、再びエネルギーの循環を発生させることにあります。
論理を「采配」に変え、停滞のない循環を設計する。 方位の概念を用い、どこにボトルネックがあり、どうパスを回すべきか。現場での具体的な「打ち手」を導き出すための体系的な分析手法については、[メソッド(分析・戦略手法)]に集約しています。