フェーズ適合論
~方位の特性を「共通言語」とした、相互理解によるプロジェクト推進~
リーダーシップは「固定」するものではない
プロジェクトが「ブレスト」から「結果」へと進むにつれ、必要とされるエネルギーの性質は変化します。一人のリーダーが全工程において陣頭指揮を執り続けるのではなく、その局面(フェーズ)に最適なリソースを持つメンバーに主導権(パス)を渡していく。これが、永峰式マヤロジックシステムが提唱する「淀みのない運営」の一つの形です。
相手の「反応の要因」を理解する
プロジェクトの停滞や対立の多くは、能力の不足ではなく、「立脚している方位(視点)の違い」による誤解(Misunderstanding)から生まれます。
相手の意見は相手の主観で生まれますが、それを受け取る側も自分の主観で判断してしまいます。しかし、お互いが「今、どの方位の視点で話しているか」を理解していれば、反応の理由が明確になります。
- 東(ブレスト)の局面での「北」の反応: 「北」のリソースが強い人は、無意識に「実現可能性やルール」を考えます。これを「否定」と受け取るのではなく、「企画の精度を高めるための視点」として受け取ることができれば、ブレストはより強固なものになります。
- 西(運営)の局面での「南」の反応: 「南」は常に「最終的な結果」を注視します。運営の細かなトラブルに一喜一憂せず、着地点を見据えた南の指摘を「ブレーキ」ではなく「羅針盤」として理解することで、チームの迷走を防げます。
誤解を解消し、心理的安全性を生む
自分とは全く異なる視点で見ていることが「構造的」に理解できれば、感情的な対立は軽減されます。
- 要因の特定: 「なぜ彼はあんな言い方をするのか」という疑問に対し、「彼の方位の特性上、そこが気にかかるのは当然だ」という答えが出る。
- 主観の客観化: 自分の主観を一旦脇に置き、プロジェクト全体の循環の中で相手の発言を捉え直す。
- 相互理解の第一歩: 異なる視点を「排除すべき異物」ではなく、「自分に欠けている補完リソース」として尊重し合えるようになる。
結論:構造に沿って「パス」を回し、個性を活かし切る
無理に誰かを抑え込む必要はありません。お互いの方位の特性を知り、各フェーズでどの方位に主導権があるべきかを合意していれば、チームは自然と最高のパフォーマンスを発揮します。 「共通の物差し(方位)」を持つことで、誤解は建設的な議論へと変わり、チームは一つの生命体として機能し始めるのです。
論理を「采配」に変え、停滞のない循環を設計する。 方位の概念を用い、どこにボトルネックがあり、どうパスを回すべきか。現場での具体的な「打ち手」を導き出すための体系的な分析手法については、[メソッド(分析・戦略手法)]に集約しています。